WordPressサイトの表示が遅いと、まず高速化プラグインの導入やサーバー変更を考えがちです。
表示速度は画像、キャッシュ、プラグイン、テーマ、サーバーなどが重なって決まります。原因を確認しないまま対策を増やすと、効果が分からないうえに、更新が反映されない・フォームが動かないといった別の問題まで増えてきます。
この記事では、WordPressを速くしたいときに確認する順番を、初心者でも判断しやすい7つのポイントに分けて整理します。
先に結論:一度に全部は変えない
速度改善は、次の流れで進めると失敗しにくくなります。
- 遅いページを一つ決めて測定する
- 変更前の結果を残す
- 一項目だけを変更する
- キャッシュを消して再測定する
- パソコンとスマートフォンで表示・操作を確かめる
PageSpeed Insightsの点数を100点に近づけること自体が目的ではありません。閲覧者が待たずに内容を読み始められ、ボタンやフォームを問題なく操作できる状態を目指します。
1.PageSpeed Insightsで「遅いページ」を一つ測る
最初に、GoogleのPageSpeed Insightsへ対象ページのURLを入力します。トップページ、集客用の固定ページ、よく読まれる記事など、優先したいページを一つに絞るのがコツです。
まずは次の項目を記録しておきます。
- モバイルとデスクトップのPerformance
- LCP、INP、CLS
- 改善候補として表示される画像・JavaScript・CSS
- 測定日時と対象URL
PageSpeed Insightsには、実際のChrome利用者から集計したデータと、テスト環境で測定した結果が表示される場合があります。Googleも、実利用者のデータがあるときはそちらを優先して確認するよう案内しています。テスト結果は毎回少し変わるため、同じURL・同じ端末区分で変更前後を比べるのが基本です。GoogleのLCP解説
2.最初に大きく表示される要素を確認する
表示の遅さで特に見たいのが、画面内で最も大きな画像またはテキストが表示されるまでの時間、LCPです。良好な目安は2.5秒以内ですが、数字だけで急いで設定を変える必要はありません。
PageSpeed Insightsの診断では、LCPの対象になった要素と、遅れの内訳を確認できます。トップのメイン画像、カバー画像、見出し、スライダーの1枚目などが対象になることが多いです。
「最初の表示が遅い原因」と画面の見方は、こちらで詳しく解説しています。
3.画像の大きさ・形式・読み込み順を見直す
WordPressサイトで最初に取り組みやすいのは画像です。スマートフォンで小さく表示する写真に、数千ピクセル幅の元画像をそのまま使っていないか確認します。
確認するポイントは次のとおりです。
- 表示サイズに対して画像の縦横寸法が大きすぎないか
- WebPなど、容量を抑えやすい形式を使えるか
- ファーストビューより下の画像だけを遅延読み込みにできているか
- 画像に
widthとheightが入り、読み込み前の表示領域が確保されているか
注意したいのは、最初に大きく見える画像まで遅延読み込みにしないことです。Googleは、LCPになる画像をlazy-loadすると表示開始が遅れると説明しています。最初の画像の読み込み順を確認してから、下の画像を軽くする方が安全です。GoogleのLCP最適化ガイド
4.キャッシュ機能が重複していないか確認する
WordPressは通常、アクセスごとにPHPとデータベースを使ってページを作ります。ページキャッシュを使うと、生成済みのページを配信できるため、サーバー側の処理を減らせます。
ただし、契約しているサーバーにキャッシュ機能がある状態で、似た役割のキャッシュプラグインを複数有効にするのは注意が必要です。更新内容が反映されない、ログイン中の表示がおかしい、フォームやカートが想定どおりに動かない、といった原因になります。
導入前には、次の3点だけ確認しておくと十分です。
- 現在のサーバーに標準キャッシュがあるか
- どの画面からキャッシュを削除できるか
- 問題が起きたときに無効化して元へ戻せるか
5.不要なプラグインと外部スクリプトを整理する
プラグインは、数が多いだけで遅くなるわけではありません。読み込むCSS・JavaScript、データベース処理、外部サービスとの通信など、実際の処理内容が影響します。
使っていない停止中プラグインや、役割が重複したプラグインは整理候補です。一方で、問い合わせフォーム、バックアップ、セキュリティ、EC関連を本番でいきなり停止するのは危険です。可能ならテスト環境で一つずつ止め、同じページを測定します。
あわせて、チャット、SNS埋め込み、広告タグ、アクセス解析、重いアニメーションなども確認します。LCP画像が読み込み終わっているのに表示が遅い場合は、大きなCSSや同期的なJavaScript、長い処理が描画を待たせている可能性があります。GoogleのLCP内訳
6.WordPress・テーマ・PHPの更新状態を確認する
古いWordPress本体、テーマ、プラグイン、PHPを使い続けると、性能だけでなく互換性やセキュリティの問題にもつながります。
更新は、次の順番なら比較的安全です。
- バックアップを取る
- 更新内容と対応バージョンを確認する
- テーマや主要機能に影響がないか確認する
- 公開ページとフォームを実機で確認する
PHPのバージョン変更は影響が大きいため、サーバーの推奨表示だけで機械的に切り替えない方がいい。独自テーマや古いプラグインがある場合は、先にテスト環境で確認してから反映します。
7.サーバーの応答と配信方法を確認する
画像やJavaScriptを軽くしても、最初のHTMLが返るまで長く待たされると、全体の表示は速くなりません。PageSpeed InsightsでTTFBが高い、管理画面も重い、アクセスが集中する時間だけ遅い、といった場合はサーバー側も確認対象です。
確認したいのは次の項目です。
- サーバーのキャッシュが使えているか
- リソース上限に近づいていないか
- バックアップや定期処理が重なる時間帯はないか
- 画像・CSS・JavaScriptをCDNから配信する必要があるか
サーバー移転や有料高速化サービスは、画像・キャッシュ・不要な処理を確認した後に検討します。先に原因を絞ると、費用をかけたのに変化が分からない状態を避けられます。
高速化プラグインは、測定してから比較する
高速化プラグインやサービスは便利ですが、サイト構成によって結果が変わります。キャッシュが主に効くサイトもあれば、画像やテーマ、外部スクリプトを直さないと変化しにくいサイトもあります。
実際に同一サイトでNitroPack FreeとWP-Optimizeを試し、PageSpeed Insightsの結果を比較した内容は、こちらにまとめています。
この記事には、現時点でアフィリエイトリンクはありません。導入する場合は、バックアップ、キャッシュの削除方法、フォーム・ログイン画面などの動作確認をしたうえで判断してください。
まとめ
WordPressを速くする近道は、速そうな機能を増やすことではなく、遅い原因を一つずつ確認することです。
- まずPageSpeed Insightsで同じページを測る
- 最初に大きく表示される画像やテキストを確認する
- 画像とキャッシュから見直す
- プラグインや外部スクリプトは一つずつ検証する
- サーバーやCDNは、原因を絞ってから検討する
小さな変更でも、記録を残して比較すれば次に何を直すべきか判断しやすくなります。